お金

大学生のみなさんきちんと知っていますか  ~税金編~

大学生になると、多くの方がアルバイトをし始めますよね。シフトにたくさん入れば入るほど収入が増え、自分が自由に使えるお金が増えると思っている方も多いでしょう。しかし、本当にそうでしょうか。今回はアルバイトを始める上で、知っておくべき税金のお話をします。それでは見ていきましょう。

103万円の壁

「アルバイトの年収は103万円を超えないようにしないといけない」と聞くことは多いと思います。
103万円を超えないことのメリットには、何があるのでしょうか。
このメリットは親の税金が安くなるということです。
所得税法で定められた親族を扶養している親は、一定額の控除を受けられ、税金が安くなります。
このことを扶養控除というのですが、具体的な控除額を見ていきましょう。

扶養控除

区分(その年12月31日現在の年齢)
控除額
一般の控除対象扶養親族(16歳以上)
38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満)
63万円
老人扶養親族(70歳以上)の同居老親等
48万円
老人扶養親族(70歳以上)の同居老親等以外
58万円
大学生の皆さんの中には、19歳以上23歳未満の特定扶養親族に当てはまっている人が多いでしょう。
上の表を見てもらえばわかる通り、この特定扶養親族の区分であると、なんと63万円も控除されるのです。
これがあるかないかではだいぶ違いそうですね

130万円の壁

続いて、年収が130万円を超えてしまったときのことについて説明します。
103万円を超えないようにするということは知っていても、130万円を超えないようにしないといけないということを知っている人は少ないかもしれません。
年収が130万円を超えてしまったら、何が変わるのでしょうか。
実は、親の健康保険に入れなくなり、自分で保険料を支払って、「国民健康保険」に加入しなければならなくなります。また、第3号被保険者であった配偶者はその資格を喪失します。

 

補足
第3号被保険者:国民年金の加入者のうち、厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)のこと

少し難しい話なので、もう少し詳しく説明します。
まず、健康保険の被扶養者と第3号被保険者の対象者となるのは年収130万円以内の人と定められているのです。
また、先ほど年収が130万円を超えてしまったら、「国民健康保険」に加入しなければならないと述べましたが、この理由は、大学生は健康保険や厚生年金などの社会保険に加入できないためです。

最後に

 

以上今回は税金の壁についてみてきました。
漠然と年収は103万円を超えてはいけないと知っていても、詳しいことを知らなかった方も、理解が深まったのではないでしょうか。